海外FXにおける金融ライセンスの必要性

海外FX業者に関して、金融ライセンスの比較が頻繁に行われるのは事実です。 実は、各海外FX業者がどの金融ライセンスを持っているかは異なります。 しかし、本当に金融ライセンスはそれほど重要なのでしょうか? この機会に、海外FXと金融ライセンスの関連性やその必要性について深掘りしてみたいと思います。

海外FXでの金融ライセンスの必要性は高い

いきなりの結論ですが、海外FXにおける金融ライセンスは非常に重要であると言えます。 なぜなら、海外FX業者の信頼性を判断するキーポイントの一つがこの金融ライセンスだからです。 海外FXは、国内FXにない高レバレッジや豊富なボーナスなどの特長が多いのは周知の事実です。 しかし、FXという投資ビジネスを行う上で、各地域の事業許可証、すなわち金融ライセンスが必須です。 金融ライセンスの取得には一定の審査が必要で、主なチェックポイントは以下のようになります。

  • 「資金の流れ」
  • 「トレード環境」
  • 「カスタマーサポート」
  • 「顧客資産の管理」
  • 「業務運営の状態」

金融ライセンスの取得地によって、審査内容や基準は異なるかもしれません。 審査をクリアすれば、業者は金融ライセンスを得ることができます。 そのライセンスを持っていることは一定の信頼をもたらしますが、すべての金融ライセンスが同等の価値があるわけではありません。 金融ライセンスの取得難易度、監督機関の存在、規制の強度などによって、その価値は変動します。 厳格な規制を持つライセンスを取得している業者は、より信頼性が高いと言えるでしょう。

世界でもっとも厳しいイギリスのFCA

以前に触れたように、海外FXに関しては金融ライセンスの重要性が高まっており、それに伴って、そのライセンスの規制が厳格であれば、その分信頼性も高まるとの話をしました。 この流れで思い浮かぶのは、厳格な規制の代名詞とも言える金融ライセンスです。 イギリスのFCAがその代表とされています。FCAは「Financial Conduct Authority」の頭文字をとったもので、日本では「金融行為規制機構」と訳されます。 多くの方が知っているように、ニューヨークのウォール街は世界の金融中心の一つですが、それと並ぶ存在としてイギリスのロンドンが挙げられます。 このFCAは政府とは独立した体制で、FCAライセンスを持つ証券業者やFX業者の承認や監督を行っています。 イギリス以外のFX業者でも、FCAライセンスを取得することは可能です。 かつてイギリスの金融監督機関は「FSA(金融サービス機構)」として知られ、日本の金融庁のベースともなっていましたが、2012年頃の一連の問題を受けて、イングランド銀行(BOE)のもと、FCAが誕生しました。 FCAは主な目的として

  • 「消費者の保護と適切なサポート」
  • 「イギリスの金融体系の安全性と持続性の確保」
  • 「顧客の利益のための競争の推進」

を挙げ、全世界で最も厳格な金融監査機関として位置づけられています。 FCAの金融ライセンスを獲得するためには、多岐にわたる要件、如何に資本金、トレーダー資産の管理、顧客サポート、外部監査など、多くの条件をクリアしなければなりません。 また、ライセンスの更新時には、業務実態や顧客の資産、運営資金などの詳細報告が求められます。 さらに、入出金に関する審査も非常に厳しく、疑念を抱かせるような手続きがあると、最悪のケースでライセンスを剥奪されることもあるのです。 これを踏まえると、FCAライセンスを持つ海外FXは、資金の不正引き出しや不正行為がほとんど考えられないということが伝わります。 金融ライセンスの高い重要性を体現するような存在と言えるでしょう。

信頼性が高いことで知られているキプロスのCySEC

キプロスのCySECは、イギリスのFCAと同様にその厳格性から高い信頼性を持つ金融ライセンスとして知られています。 「The Cyprus Securities and Exchange Commission」がCySECの正名で、これを日本語にすると「キプロス証券取引委員会」となります。 キプロスは多くの方には知られていないかもしれませんが、地中海の東部に位置する小国です。 トルコの南に位置し、親日的な国としても知られています。そして、国際的な金融ハブとして、多くのFX業者がこの国を選んでいます。 FX業者が数千社を超える存在として、キプロス経済の大きな一角を占めています。 CySECは、FCA同様、その厳格な審査基準で評価されています。設立前の資本金、資産の管理方法、そしてサポート構造など、様々な項目が細かく審査されるのです。 そのため、ライセンスを取得するのは容易ではありません。 CySECは、キプロスがEUへの加盟前、2001年に創設されました。そして2004年にキプロスがEUに参加した際、ヨーロッパMiFiD(金融商品指令)に基づいて動いており、このライセンスを取得した企業はヨーロッパ内での活動が可能です。 CySECの主な目的は以下のようにまとめられます。

  • 「キプロスの金融市場を投資の魅力的な場所にする」
  • 「投資家の権利の保護と、金融の安定と成長の推進」
  • 「顧客が安全に金融サービスを利用できるようにするための金融機関の監督」

2016年11月には、CySECはその規制をさらに強化しており、

  • 「新しい口座のレバレッジは最初は50倍に制限し、トレーダーの要求に基づいて最大500倍まで増やせる」
  • 「取引のボリュームに基づくボーナスの提供の禁止」
  • 「ゼロカットシステムの導入」
  • 「出金の手続きは原則として次の日までに完了する」

といった点が挙げられます。これは2013年のギリシャの金融危機をきっかけとして、強化されたようです。

その他の金融ライセンス

先に触れたのは、イギリスのFCAとキプロスのCySECのような、信頼性の高い金融ライセンスです。 その確固たる信頼性から、これらの金融ライセンスをいずれかが保有する海外FX業者は、利用者にとっても安心感が持てるでしょう。 しかし、これらのライセンス以外にも多くの金融ライセンスが存在します。その一部を簡単にご紹介させていただきます。

ニュージーランドのFMAそこそこの信頼性
ケイマン諸島のCIMA高い信頼性
ベリーズのIFSCやや弱い信頼性
イギリス領バージン諸島のBVIFSCそこそこの信頼性
セントビンセント・グレナディーンのFSAやや弱い信頼性
セーシェル共和国のFSA弱い信頼性
バヌアツ共和国のVFSCそこそこの信頼性

 

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