FXでアービトラージが禁止されている?

FXに関する情報を探る際、様々な内容に触れることになるでしょう。 その中で、「アービトラージは許可されていない」という情報を目にすることもあれば、アービトラージの方法についての記事も存在すると思います。 「アービトラージが許されているのか、それとも許されていないのか」という疑問を持つ方も少なくないでしょう。 この文書では、アービトラージの基本的な意味から、実際にアービトラージが許可されているかどうかを明らかにしていきます。

そもそもアービトラージとは?

まず、アービトラージとは何かを解説します。 アービトラージは、異なる市場や取引所での価格の違いを利用して利益を得る手法で、これは「裁定取引」とも称され、「サヤ取り」や「スプレッド取引」のように呼ばれることもあります。 具体的には、2つの商品間の価格差を活用して利益を上げる行為のことを意味します。 一般的に、国内FXにおいては制約上、この手法を採用するのは難しいのですが、一方で海外FXでは行える場合があります。 とはいえ、海外FXでも業者によりアービトラージが許されていない場合があるので、許可されているところでのみ実施し、禁止されている場所では控えるようにしましょう。

アービトラージの種類

先でもお話しましたように、FXにおけるアービトラージというのはアービトラージを禁止していない海外FXであれば問題ありません。
禁止事項でなければ不正にもなりませんし、アービトラージそのものには違法性はないのです。
そのアービトラージにはいくつかの種類があります。

レインテンシーアービトラージ

「レイテンシーアービトラージ」というのは、別名で「業者間アービトラージ」とも呼ばれます。 レイテンシーは「遅れ」や「遅延」を指す言葉として知られています。 FXの業界では、取引所や業者間に表示される為替レートに僅かなタイムラグが生じることがあるのはご存じかもしれません。 このタイムラグによる微小な価格の差を利用して取引を行うのがレイテンシーアービトラージの方法です。 この手法で莫大な利益を上げているトレーダーもいますが、それにはリスクも伴います。主なリスクを挙げると、

  • 「業者がスキャルピングとみなして禁止している場合がある」
  • 「FX業者にとって不都合な手法であるため、公然と禁止されていない場合でも口座が停止される可能性がある」
  • 「オートトレードが不可能で、手動でのリアルタイム取引が求められるため、難易度が高い」

といったことが考えられます。長期的に利用したい海外FXでの取引において、レイテンシーアービトラージの使用は控えることを推奨します。

スワップアービトラージ

スワップアービトラージは、アービトラージの技法の中で非常に一般的なものとして知られています。 この手法は、名前の示す通り、スワップポイントの差異を利用したものです。 具体的には、2つのFX業者で取引を行い、両方のポジションを持つことで行います。 スワップアービトラージの基本的な進め方は、

  • 「売り取引のスワップが低い業者で売りポジションを取得」
  • 「買い取引のスワップが高い業者で買いポジションを取得」

と、非常に直接的な方法で進められます。 この方法では、両方のポジションを持つことで価格変動の影響を受けず、スワップポイントのみが発生し、それが収益となります。 同じ通貨ペアでの買い・売りのスワップポイントの差が正の場合、FX業者同士でスワップアービトラージを行うことができます。 しかしながら、以下のようなリスクも伴います。

  • 「両建てを禁止しているFX業者で取引するのは適していない」
  • 「高レバレッジの場合、ロスカットのリスクが高まる」
  • 「スワップの変動が大きいと、大きな損失を被る可能性もある」

トライアングルアービトラージ

トライアングルアービトラージは、「3通貨アービトラージ」「三角裁定取引」などと呼ばれることもあります。
3つの通貨ペアの為替相場の価格の差で利益を出そうとする裁定取引の手法で、以下のような流れでおこなっていくことになります。

ステップ1取引所の中で価格差のある通貨を3種類探す
ステップ2仮に3種類をA、B、Cとして、まずはAでBを買う
ステップ3BでCを買う
ステップ4CでAを買う

この方法を用いることで利益を上げることができます。 価格差を自分で計算するのは手間がかかるかもしれませんが、現在は自動化ツールが用意されている時代です。 アービトラージ用の計算ツールも手に入れることができるので、これらのツールをうまく使っていくと良いでしょう。 トライアングルアービトラージ自体は特に大きなリスクは伴いませんが、その利点と欠点をしっかりと把握しておくことは大切です。 以下で、トライアングルアービトラージのプロとコンについて詳しく説明します。

  • メリット
  • ひとつの取引所を利用してトレードをおこなうことになるので、送金手数料がかからない
  • 送金変動のリスクがほぼない
デメリット
  • 取引の回数が多くなる分、取引手数料が多くかかってしまう(マイナスになる可能性も)
  • 価格差を調べるときには自動計算ツールなどを使う必要がある
  • 手順が多いため利益を出すことも含めて初心者にはハードルが高く、難易度も高い

海外FXで禁止されているボーナスアービトラージ

先程、アービトラージの異なる3つの方法を紹介しましたが、実はもう1つ、ボーナスアービトラージという手法も存在します。 この手法を特別に取り上げる理由は、多くの海外FXでこの方法が禁止されているからです。 ボーナスアービトラージは、名前が示すように、海外FX特有の口座開設ボーナスや入金ボーナスを利用し、別のFX業者の口座に転送する方法をさします。 通常、口座開設や入金時に提供されるボーナスは、直接引き出すことはできません。 そのため、ボーナスを使用して取引を行い、その結果得られた利益のみを出金することが許されています。ボーナスアービトラージは、この制約を回避するための戦略として登場したものです。

ステップ1ボーナスがある口座のFX業者と別のFX業者で反対ポジションを保有する
ステップ2ボーナス口座が0になるまで放置する
ステップ3別のFX業者では利益が出ている

ボーナスの口座が0になることは少なく、別のFX業者の口座が0になることもあるものの、損失は発生しません。当然、海外FX業者もトレーダーがこのような方法を取ることを知っており、それが禁止されている理由です。 MT4のプラットフォームを利用している者は特定されやすいようです。異なるFX業者であっても、サーバーは共通しており、IPアドレスでの特定が可能です。一部のトレーダーはFX業者ごとにIPアドレスを切り替えるようですが、それでも完全に検出を避けることは難しいです。 基本的に禁止されている行為なので、ボーナスアービトラージの利用は控えるべきです。FXでの利益はルールを守りながら稼ぐべきです。禁じられている行為よりも、さまざまな手法を探求し、トレーダーとしての能力を向上させる方が確実に良い結果をもたらします。

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