FXにおけるレバレッジ規制?国内FXから海外FXの流れ

FXでは、レバレッジが重要な要素となります。 しかし、最近このレバレッジについて「レバレッジ制限」という言葉で多くの関心を集めています。 FXの動向を追っている方ならば、ここ数年でレバレッジ制限に関する情報が増えてきたことに気づいているはずです。 特に国内のFX業者を選択する際、このレバレッジ制限は大きな関心事となり得ます。 今回は、レバレッジ制限に関するFXの現状を再評価してみようと思います。

レバレッジ規制によってFXのレバレッジが最大10倍まで引き下げられる?

FXのレバレッジに関する制限は、定期的に議論の対象となっており、現在ではレバレッジの上限を10倍までにすることが考慮されています。 現状、国内のFX業者を使用した場合、レバレッジの上限は25倍までとされています。 元々25倍という数値も以前の引き下げを経てのもので、さらに10倍まで縮小される可能性が浮上しています。 なぜレバレッジの上限を10倍まで下げようとしているのかというと、外為市場の急な動きにより、大きな損失を受ける危険性が増大しているとの判断からです。 このレバレッジ制限の目的は、市場の混乱を最小限にすることにあります。 金融庁がレバレッジの制限強化の方針を示したことから、このような話題が注目を集めていますが、当然、金融庁も独自の視点から判断を下しています。 1998年に外為取引が全面自由化されて以降、取引量は増加の一途を辿っています。 最近の経済の低迷や雇用の不安、実質的な年金制度の崩壊、そして新型コロナウイルスの感染拡大など、経済的なプレッシャーが増しています。 国の支援が十分でない中、多くの人々がFXを通じて収入を得ようとしています。 もちろん、FXにはリスクも伴います。 業者側は投資家の資金保護のためにロスカット制度を導入していますが、金融庁はそれだけでは十分ではないとの立場です。 外為市場の動きが大きくなると、投資家や金融機関が大きな損失を被るリスクが高まるため、レバレッジの更なる制限を導入しようと考えているのです。

今のところ見送られている最大10倍というFXのレバレッジ規制

現段階では、FXにおける最大10倍のレバレッジ制限に関する話が浮上しているだけで、具体的にいつからこの規制が施行されるのかは明確ではありません。 ただ、これは一時的に保留されている状態で、それは「厳格かつ適切なストレステストを実施する」という条件のもとでの延期となっています。従って、進行が遅いとはいえ、10倍のレバレッジ規制へのシフトが進行中であると解釈すべきでしょう。 それでは、この規制が保留されている理由は何なのでしょうか? 実際、現在の日本の状況を考えれば、適切な根拠を示さずに一方的に推進することも可能に思えます。 しかし、10倍のレバレッジ制限の導入が一時的に遅れている背景には、大きく分けて3つの要因が考えられているとされています。

今すぐにレバレッジ規制をする理由がない

10倍のレバレッジ規制が一時的に延期されている主要な理由の一つは、その緊急性が認識されていない点です。 具体的には、現在、FXにおけるレバレッジの制約を即座に設ける明確な根拠が存在しないのです。 新型コロナウイルスの拡大影響で、他の問題が優先されている部分もあるかもしれません。加えて、近時の市場は過熱も冷え込みもしておらず、まさにゴルディロックスのような状態にあり、価格変動の大きさを示すボラティリティも低下しています。 さらに、未払い金や実質的な負債が減少している状況で、現在FXに10倍のレバレッジ規制を適用することには大きな利点が見当たらないのです。 それどころか、FX業界からの税収が減少する可能性があり、その方がデメリットとして感じられるかもしれません。

業界にとってマイナスになってしまう

現在の状況は比較的穏やかですが、少し前には仮想通貨ブームが吹き荒れていました。 キャッシュレス決済の一環としての利用はもちろん、仮想通貨での利益追求を目指す者も多く見受けられました。 その際、FXの話題は少々影を潜めていました。 仮想通貨の影響を完全には受けていないとはいえ、現在もFXと仮想通貨は緻密な関連性を保っています。 もし今、FXにおいて10倍のレバレッジ規制が施行されると、FXのトレーダーたちは仮想通貨市場に興味を持ち始めるかもしれません。 その結果、FX市場の参加者が減少すると、FX業界は縮小の危機に直面することとなります。 実際、為替市場そのものの衰退も考えられるのです。 このように見ると、レバレッジ規制は、かなりデリケートな問題として捉えられます。

FX業界のトップが反対している

2010年の8月にはFXのレバレッジが50倍まで、そして続く2011年の8月には25倍に順次低下しています。 レバレッジの制約に関して、FX業界からすれば好ましくない動きと感じられます。 最近、最大10倍へのレバレッジ制限が具体的に検討されてきたため、FX業界の指導者たちが強く反発しているのです。 彼らの発言が絶対的な影響力を持つわけではありませんが、FX業界のリーダーの意見を完全に無視することはできず、その結果として一部では現状の維持を模索する動きも見受けられます。

FXのレバレッジ規制におけるメリットとデメリット

FXにおけるレバレッジ規制の利点と欠点を考察してみましょう。 レバレッジ規制の利点として挙げられるのは次の3点です。

  • さまざまな取引スタイル、長期から短期まで、との相性が良い
  • 取引のリスクを低減できる
  • ロスカットが発生しにくくなる

それに対し、レバレッジ規制の欠点としては以下の2点が考えられます。

  • より大きな投資資金が求められるようになる
  • 投資できる額とそれに伴う利益が減少する

利点は3点に対して、欠点は2点という形になります。ただ、これだけを見て「利点の方が多いので規制は良い」と結論付けるのは難しいでしょう。 大きなレバレッジを利用することで、少額の資金でも大きな利益を狙うことが可能です。もしレバレッジ規制が厳格化されれば、資産が多い人だけがFXを享受できる状況になるかもしれません。

海外FXへ移るタイミングかも

最大10倍のレバレッジ制限が実施されるとしても、それは国内FXの範疇に留まります。 一方、海外FXでは、国内のような厳格なレバレッジ制限を受けずに、高いレバレッジを活用して大きな利益を目指すことが可能です。 国内FXが今後より厳格になる傾向がある中、海外FXに目を向けるのも一つの選択と言えるでしょう。

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