FXにおけるニューヨーク時間とは?

FXは全世界的に行われる取引です。 このため、日本に居住している方であっても、国内の事情だけに目を向けるのではなく、より広い視点で世界の動きを把握することが必要です。 その際、特に注目されるのが「ニューヨーク時間」という時間帯です。 今回は、このニューヨーク時間がFXにおいてどのような役割を持つのか、その特色を交えて詳しくご説明したいと考えています。

そもそもニューヨーク時間とは?

それでは、FXの世界で「ニューヨーク時間」とは具体的にどのような時間帯を指すのでしょうか? 標準時として、ニューヨーク時間は日本時間で夜の11時30分から翌朝6時までを意味し、夏時間の間は夜の10時30分から明け方5時までを指します。 この時間帯は、世界中の投資家が注目し、活発な取引が行われるため、スプレッドが狭まることが多いです。 日本のトレーダーにとって、日本とニューヨークの時差のおかげで取引しやすい時間帯となっており、多数の日本人トレーダーがこの時間に活動しています。 一方、ニューヨークのトレーダーたちは主にニューヨーク時間の朝8時ごろからトレードをスタートさせます。 つまり、夏の日本時間では夜の9時、冬の日本時間では夜の10時に合わせて、ニューヨークのトレーダーが取引を開始します。 ニューヨークのトレーダーが活動するこの時間帯、ロンドン市場も活気を保っているにも関わらず、ニューヨーク市場の影響力は非常に大きなものがあります。

ニューヨーク時間で特に重要な経済指標発表

ニューヨーク時間において特筆すべき点は、アメリカの経済指標の発表時刻です。 いくら認めたくなくても、アメリカ経済は世界最大のものとして君臨しています。 それゆえ、アメリカの経済動向は、他国の経済にも顕著な影響を及ぼします。 アメリカの経済指標が発表されると、マーケットの価格に大きな変動が起きるのは自然な現象とも言えます。 主なアメリカの経済指標はニューヨーク時間の午前8時30分に発表されますが、それ以外の時間帯でも発表は行われます。 トレードを行う前には、必ず経済カレンダーをチェックしておくべきです。 経済指標が発表された際には、瞬時に大きな利益を上げるチャンスが生まれる一方、大きなリスクも伴います。 そのハイリスク性ゆえに、しっかりとした戦略の策定が不可欠です。 具体的な戦略としては、以下の3つを考慮することが挙げられます。

経済指標の発表内容をフォローしたエントリー

経済指標の発表内容に素早く反応しトレードをするという戦略です。

経済指標の発表内容に逆らうエントリー

マーケットの動きが激しく反応するだろうという考えの上で、経済指標の発表内容に反したトレードをおこなうという戦略です。

経済指標発表後の初動を確認してからのエントリー

たとえ経済指標の発表が予想を超えて良好だったとしても、市場が過剰に動くことでポジションを取るのが困難になることがあります。 そのような場合、経済指標が公開された後の最初の反応を見極め、市場の動きが落ち着いてきた時点で取引を開始するというのが一つの戦術と言えます。

アメリカをはじめ、どの経済指標に注目するかは、その指標の重要度によって変わってきます。 ネット上には「経済カレンダー」というツールがあり、各指標の重要性がランク付けされています。その中で最も重要とされる経済ニュースに集中するのが良いでしょう。 さらに、以前の同じ経済指標が公開された際の市場の動きを確認するのも必要です。

ニューヨーク時間の冬時間と夏時間

FX取引において、冬時間と夏時間の違いを正確に把握しておくことは必須です。 2020年のニューヨークの冬時間は3月7日まで続いていたものの、11月2日に再開し、2021年3月13日に終了するスケジュールです。 東京はニューヨークの14時間先行しているため、アメリカの経済指標の発表は東京時間で午後10時30分となります。 一方、2020年のニューヨークの夏時間は3月8日から11月1日までです。 以前述べた通り、夏時間中は東京がニューヨークの13時間先に進んでいるため、アメリカの経済指標の発表は東京時間で午後9時30分になります。

ニューヨーク時間のFXトレードは難しい

FX取引には、トレードを難しくする瞬間が存在します。 特に、ニューヨーク時間はその難しい時期と言えるでしょう。 初心者が取引を開始する際、アメリカの経済指標の発表時間を避けることをおすすめします。 さらに、ニューヨーク時間のトレードは日本の夜深くに行われるため、ミスを犯しやすくなることがあるのです。 特にストップロスを設定せずに保有ポジションを持続すると、大きな損失を招くリスクが高まります。 取引開始前には、ストップロスを設定してそれを超えないよう注意が必要です。 ただし、ニューヨーク時間が困難というわけではなく、正しいトレード戦略を持てば利益を上げるチャンスもあります。 熟練のトレーダーならば、この時間帯でも大きな機会を掴むことが可能です。

ニューヨーク市場が休みの日のFXトレードはすべきではない

市場全体に休日が存在するのはニューヨーク市場だけでない事実です。 そこで、ニューヨーク市場の休日にFXトレードを行うべきか否かが問われます。答えとしては、ニューヨーク市場の休日にFXトレードを行うのは避けるべきです。 具体的に、東京時間で午後9時以降がニューヨーク市場の休日である場合、その時間帯でのFXトレードはおすすめしません。理由は、その時期にはトレードのメリットが薄いからです。 休日の市場は通常と異なる動きを見せるため、通常の戦略での利益確保が困難になります。 ニューヨーク市場の休日は価格の動きが鈍く、目標価格に達するのに長い時間がかかることが多いです。その結果、長時間待つことになるため、効率が良くありません。 その代わりとして、FXトレードを休止し、その時間をトレードの分析や自身のスキル向上に利用するのが良いでしょう。

ニューヨーク時間でおすすめの通貨

ニューヨークの取引時間は活発な動きが見られ、高いボラティリティを持つため、高い利益をもたらすトレードの機会が増えます。 日本のトレーダーがニューヨークの取引時間にFXトレードを考えるなら、ポンド対円、ポンド対ドル、ユーロ対円がおすすめです。 これらの通貨ペアはボラティリティが高く、しばしば強力なトレンドが形成されることがあります。 多くの日本のトレーダーがドル対円のトレードに集中する傾向があるものの、実際にはドル対円のトレードは日本の取引時間や長期間のトレードで行った方が賢明かもしれません。

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