海外FXをしているサラリーマンが知っておくべき税金

日本は元々経済的に厳しい状況にありましたが、新型コロナウイルスの拡散に伴い、経済状況はさらに悪化しました。 働き方の変革等の要因も絡み、収入が大きく減少した方も少なくないでしょう。 このような背景から、サラリーマンの中には海外FXでの収入を考慮する人が増えてきています。 しかし、サラリーマンが海外FXを始める際には、税金の側面をしっかりと理解しておく必要があります。 今回は、サラリーマンが海外FXを行う上での税の知識を共有したいと思います。

サラリーマンが海外FXで得た利益にかかる税金とは?

まず、サラリーマンが海外FXを通じて収益を上げた際に課税される税金について理解しましょう。 サラリーマンが海外FXにより利益を手にしたとき、以下の税金が適用されます。

  • 「所得税(復興所得税を含む)」
  • 「住民税」

日本のFXにおいては、申告分離課税が採用されますが、海外FXでは総合課税となる点に注意が必要です。 申告分離課税は特定の所得だけを対象に税金を算出する一方、総合課税はさまざまな所得を合算して税金を計算します。 具体的に、総合課税では以下の所得が考慮されます。

  • 「利子所得」
  • 「配当所得」
  • 「不動産所得」
  • 「事業所得」
  • 「給与所得」
  • 「譲渡所得」
  • 「一時所得」
  • 「雑所得」

海外FXからの収益は、これらのカテゴリの中で「雑所得」として取り扱われます。 従って、サラリーマンの場合、給与所得とともに、海外FXを含む上記の所得の合計から税金が算出されるのです。

サラリーマンが海外FXで得た利益の税率はどうなる?

先でもお話しましたように、総合課税になるため、海外FXで得た利益だけで税率が決まるわけではありません。
海外FXで得た利益を含めて合計した所得に対して定められた税率が課せられます。
税率は以下になります。

2020年時点での所得税の税率

課税される所得金額税率控除額
195万円以下の場合50
195万円を超えて330万円以下の場合1097,500
330万円を超えて695万円以下の場合20427,500
695万円を超えて900万円以下の場合23636,000
900万円を超えて1,800万円以下の場合331,536,000
1,800万円を超えて4,000万円以下の場合402,796,000
4,000万円超える場合454,796,000

2020年時点での復興特別所得税の税率

所得税額×2.1

2020年時点での住民税の税率

市区町村民税課税される所得金額×6自治体ごとに異なる均等割り
都道府県民税課税される所得金額×4自治体ごとに異なる均等割り

海外FXでサラリーマンが利益を出したら確定申告

サラリーマンが海外FXで収益を上げた場合、確定申告が必須となります。 給与に関しては、雇用主が税金の手続きを行ってくれますが、海外FXからの利益についてはそのような措置がありません。 従って、自分自身で税金を納める責任があるため、確定申告を行う必要があります。 確定申告とは、1月1日から12月31日の間の収益や支出、医療費や扶養家族の情報などをもとに、所得を算出し、その結果を基に翌年の2月16日から3月15日までの期間に税務署に提出して、支払うべき所得税を決定する手続きのことを指すものです。 以下に手続きの概要を示します。

必要な書類を集める

  • 「勤めている会社の源泉徴収票」
  • 「海外FX業者の年間収支データ」
  • 「海外FXで利用した経費の領収書」

といった必要な書類を集めていきましょう。
控除がある場合には

  • 「社会保険料の控除証明書」
  • 「医療費の明細書、領収書」
  • 「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」

なども用意する必要があります。

確定申告における申告書の作成

確定申告における申告書の作成なのですが、税務署から用紙をもらっての作成というのは結構大変です。
「国税庁の確定申告書等作成コーナー」を利用して、e-taxや郵送で納税する形のほうが簡単でしょう。

確定申告書の提出

確定申告書の作成が完了したら、その申告書を提出しなければいけません。
申告書の提出は、e-taxと書面提出の2つの方法から選ぶことができます。
それぞれのメリットとデメリットは以下のような感じです。

e-tax

メリット添付書類などの提出の手間がかからず還付もスピーディー
デメリットマイナンバーカードやICカードリーダライタが必要になる

書面提出

メリットe-taxが使えない人でもOK
デメリット添付書類の用意や郵送などの手間がかかる

納税する

確定申告書の提出によって所得税額が決まったら、納税をします。
所得税の納付期限は、3月15日になります。
納付方法は以下のようにいろいろと用意されています。

  • 「振替納税」
  • 「e-Tax」
  • 「クレジットカード」
  • 「QRコード」
  • 「金融機関又は税務署の窓口」

申告書の提出後に、住民税や固定資産税などは納付書が送られてきますが、所得税の納付では納付書の送付や納税通知などによる納税のお知らせはありません。
注意しておきましょう。

確定申告書に関する書類や資料の保管をする

確定申告の際に領収書を提出する義務はないのですが、領収書を保管しておく義務があります。
青色申告の場合には7年、白色申告の場合には5年という保管期間が設けられていますので、この期間中は必ず保管しておくようにしてください。

  • 「確定申告書の控え」
  • 「領収書」
  • 「海外FX業者ごとの年間収支の画面キャプチャ」

などをその年ごとにまとめておくと何かあったときにも便利です。

海外FXで利益を得たサラリーマンの節税方法

海外FXで利益を得たサラリーマンの方の節税方法は、主に2つです。

  • 「経費を増やす」
  • 「控除を増やす」

経費を増やす

経費を増やす場合、以下のようなものが経費として認められる可能性があります。

  • 「FXトレードのために購入した書籍代」
  • 「FXトレードのために購入したDVDやBlu-ray」
  • 「FXトレードのために参加したセミナーの費用」
  • 「FXトレードのために登録している有料のメールマガジン」
  • 「FXトレードのために登録している有料の情報サイト」
  • 「FXトレードでかかった取引手数料」
  • 「MT4で使うことになる有料インジケーターの購入費用」
  • 「MT4で使うことになる有料EAの購入費用」
  • 「新聞代」
  • 「プロバイダー料金」
  • 「光回線やWi-Fiの料金」
  • 「VPSサーバーの費用」
  • 「FX会社への問い合わせなどに使う電話料金や携帯電話料金」
  • 「文房具や事務用品」
  • 「パソコンやパソコンの周辺機器」
  • 「プリンター」
  • 「FXトレードのために利用している家の家賃の一部」
  • 「FXトレードのために利用している家の光熱費の一部」
  • 「入金用のクレジットカードやデビットカードの年会費」
  • 「海外送金などの際にかかる送金手数料」
  • 「FXトレーダー仲間との会食などにかかる費用」

その他にもFXのために海外へ行くようなことがあれば、そういったものも経費として認められることがあります。
FXを絡めれば何でもOKというわけではないのですが、何が経費として認められるか税理士さんなどの専門家に相談してみましょう。

控除を増やす

サラリーマンの方が利用できる控除としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 「ふるさと納税」
  • 「個人型確定拠出年金iDeCo」
  • 「セルフメディケーション税制(医療費控除)」
  • 「特定支出控除」
  • 「扶養控除」
  • 「住宅ローン控除」

使えるものはすべて使っていきましょう。

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